ビジネスの基礎を学ぼう

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  • 商品計画の内容

 企業が、販売計画で設定した売上目標高を達成するためには、「適切な商品を、適切な場所で、適切な時期に、適切な数量だけ、適切な価格で」提供する計画が必要となります。これらは、「マーチャンダイジングの5つの適切」と呼ばれ、これらの5つの決定事項をよく検討して、製品計画や仕入計画を上手に行えば、効果的な販売に結びつくという考え方です。メーカーの場合には、適切な製品づくりを目指す製品計画となり、流通業者の場合には、適切な商品選びを目指す仕入計画となります。しかし、流通業者の中にも、自社で製品を企画する企業も多く、製品計画を行う流通業者も珍しくはありません。そして、生産された製品や仕入れられた商品は、常に販売との関係を考慮しながらその数量を適切に管理し、保管しておかなければなりません。この活動を商品管理といいます。

 商品計画(マーチャンダイジング〈merchandising〉)は、上記のような主体の違いによって、製品計画と仕入計画に分けられ、さらにその両方に必要な商品管理の活動からなります。今回は製品計画について焦点を当てていきます。

  • 製品計画の重要性

 製品計画とは、適切な製品づくりのための計画です。そもそも適切な製品とは何でしょうか。消費者のニーズに適合した”売れる商品”であれば、適切な製品と言えるでしょうか。”売れる商品”というのはたしかに大切です。しかしそれだけでなく、”売れる製品”に加え、資源の節約や環境の保全などといった”社会の要請”にもこたえるものでなくてはなりません。その意味で、製品計画は、企業の利益の実現と社会の長期的発展の基礎となるものであり、マーケティングにおいて最も基本的で重要な活動なのです。

  • 製品計画の内容

 製品は、機能、品質や性能、デザイン、サイズ、包装、ブランド、表示などの要素によって特徴づけられています。製品計画では、これらの諸要素について、慎重かつ総合的に検討していきます。そして、その内容は以下の4つに大別することができます。

 

①新製品の開発

②既存製品の改良

③既存製品の新用途の開拓

④既存製品の継続的な生産

 

①新製品開発

 企業が競争するうえで、激しい変化に適応していくためには、市場の需要に適合し、技術革新に対応していくことが不可欠です。これまでにない画期的な新製品を発明・開発すれば、先発企業として市場をリードし、新市場から大きな利益を得ることができます。

 

②既存製品の改良

 既存製品をより良いものへと改良することで、消費者の満足度高め、新しい需要を開拓することができます。

 

③既存製品の新用途の開拓

 既存製品のこれまでの用途以外の新しい使い方を提案することにより、市場の開拓をはかることができます。

 

④既存製品の継続的な生産

 既存製品の価格をできる限り引き下げることにより、その製品の需要を持続させることができます。

  • 流通業者による商品開発

 製品開発は、メーカーや生産者だけでなく、流通業者も行っています。その代表例がPB商品と呼ばれるものです。PB商品とは、流通業者などが自主企画し、自店やそのチェーン店だけで販売している商品のことです。イオングループの「トップバリュ」や西友の「みなさまのお墨付き」などが挙げられます。

  • 問題認識

・要因による分類 

購入しようとする気持ちが何から生まれているか

 

 ‐生理的購買動機

  生きていく上で必要だと感じたときに生まれる

  例.のどが渇いたから水を買う お腹が空いたから弁当を買う

 

 ‐心理社会的購買動機

  価値観に基づいて生まれる

  例.友達に自慢したから国産車ではなく、外国車を買う(自己承認動機)

 

・便益による分類

 ‐理性的購買動機

  商品に機能などを求める購買動機

  例.自動車 燃費の良さ、修理コスト、価格など

 

 ‐感情的購買動機

  快楽などを求める購買動機

  例.自動車 運転の感覚、所有の喜び、社会的地位の達成感など

 

  • 情報探索

・内部探索

 記憶にある情報としての商品知識

 

・外部探索

 ‐包括的問題解決行動

  

 ‐限定的問題解決行動

 ‐習慣的問題解決行動

 

  • 代替商品の評価

・属性別

 

・ブランド別

  • 購買決定
  • 購買後の決定

建設仮勘定

  • 建設仮勘定とは

出来上がるまでに時間がかかる建物などを買い入れる際に使用します。建物を買い入れた際、建物はまだ出来上がってないけど、お金を支払うときに使用します。例えば、出来上がるのに5年かかる建物を¥100,000,000で買い入れたとしましょう。すると、仕訳は

 

建物 100,000,000 当座預金 100,000,000

 

としたいところですが、実際には、建物は出来上がっていないため、建物として計上することができません。その時に、建物の代わりとして使われるのが建設仮勘定です。

 

建設仮勘定 100,000,000 当座預金 100,000,000

 

となるわけです。そして、実際に建物が出来上がったときにはじめて建物を計上することができるので、建物を計上し、代わりに計上していた建設仮勘定を減少させます。したがって仕訳は、

 

建物 100,000,000 建設仮勘定 100,000,000

 

となります。

 

  • 建設仮勘定の必要性

わざわざ建設仮勘定なんて使わなくても、建物が完成してからお金を払えばいいんじゃないの?という疑問を抱く方もいると思います。そこで、建設会社の立場に立って考えてみると、出来上がる5年間のうちに必要な資金を調達するために、契約の際に代金の一部を企業からもらうというわけです。

 

財務諸表分析

  • 財務諸表分析の意味

財務諸表(貸借対照表損益計算書)に示された金額を分析・比較して、財政状態および経営成績などの良否・適否を調べて、その原因を明らかにすることを財務諸表分析という。

 

財務諸表分析には、外部分析内部分析がある。

 

・外部分析

企業の外部者(株主や債権者など)の立場からの分析

 ・信用分析

  企業の支払い能力の程度などを調べ、融資の資料などを得るための分析

 ・投資分析

  企業の収益性や安全性などを調べ、投資の資料を得るための分析

 

・内部分析

企業の内部者(経営者など)の立場からの分析

経営活動の諸問題を見い出し、改善方法の情報などを得るための分析

 

財務諸表分析を行うにあたり、用いられる資料には次のようなものがある

有価証券報告書

・決算公告

決算短信

 

  • 財務諸表分析の方法

・比率法

貸借対照表損益計算書などの金額によって財務比率を求め、これを用いて分析する方法

 ・関係比率法

  財務諸表上のある項目の金額と、他の項目の金額との割合によって分析する方法

 

 ・構成比率法

  全体の金額を100とし、その全体を構成する各項目の金額の割合(百分率)に

  よって分析する方法

 

 ・趨勢法

  基準とする年度の財務諸表上の各項目の金額を100とし、それと比較する年度の

  各項目の金額の割合の変化によって分析する方法

 

・実数法

貸借対照表損益計算書などの金額そのものを用いて分析する方法

 

 ・比較貸借対照表

  2期以上の貸借対照表の同一項目の金額を比較して、その増減によって財政状態の

  変化を分析する方法

 

 ・比較損益計算書

  2期以上の損益計算書の同一項目の金額を比較して、その増減によって経営成績を

  分析する方法

 

  • 関係比率法による分析

・安全性分析

安全性分析は企業における債務の支払能力の分析である

短期の支払能力の分析には、流動比率当座比率が用いられる

長期の支払能力の分析には、自己資本比率負債比率固定比率などが用いられる

 

 流動比率

  流動資産と流動負債との割合

  短期の支払能力を示す

  一般に200%以上が望ましい

 

  流動比率流動資産/流動負債×100(%)

 

 ・当座比率

  当座資産と流動負債との割合

  即時支払能力を示す

  一般に100%以上が望ましい

 

  当座比率当座資産/流動負債×100(%)

 

 ・自己資本比率

  総資本に対する自己資本の割合

  比率が高いほど安全

  一般に50%以上が望ましい

 

  自己資本比率自己資本/総資本(他人資本自己資本)×100(%)

 

 ・負債比率

  負債(他人資本)と自己資本との割合

  比率が低いほど安全

 

  負債比率=負債/自己資本×100(%)

 

 ・固定比率

  固定資産が自己資本によって、どの程度調達されているかを示す

  比率が100%以上の時には、固定資産の取得が他人資本にも依存していることを示

  し、堅実とはいえず資金繰りに注意する必要がある

 

  固定比率=固定資産/自己資本×100(%)

 

・収益性分析

 企業の利益獲得能力の分析であり、主として損益計算書の数値を用いて分析する

 

 ・売上高利益率

  売上高に対する利益の割合

 

  売上高純利益率=当期純利益/売上高×100(%)

  売上高総利益率=売上総利益/売上高×100(%)

 

 ・売上原価率

  売上高に対する売上原価の割合

  比率が低いほど利幅が大きく収益性が良い

 

  売上原価率=売上原価/売上高×100%

 

 ・資本利益率

  資本に対する利益の割合

  比率が高いほど収益性が良い

 

  総資本利益率当期純利益/総資本×100(%)

  自己資本利益率当期純利益/自己資本×100(%)

 

 ・資本回転率

  資本に対する売上高の割合

  回転率が高いほど、資本の利用状況が良い

 

  総資本回転率(回)=売上高/総資本

  自己資本回転率(回)=売上高/自己資本

 

 ・資産回転率

  資産に対する売上高や売上原価の割合

  回転率が高いほど、資産の運用が良い

 

  ・受取勘定回転率

   受取手形売掛金の回収スピード

 

   受取勘定回転率(回)=売上高/受取勘定(受取手形売掛金

 

  ・商品回転率

   商品を販売する能力

 

   商品回転率(回)=売上原価/商品有高

 

  ・固定資産回転率

   設備の利用状態

 

   固定資産回転率(回)=売上高/固定資産有高

 

成長性分析

企業経営の拡大・発展の度合いを分析する

 

 ・売上高成長率

  売上高成長率=当期売上高-前期売上高/前期売上高×100(%)

 

 ・経常利益成長率

  経常利益成長率=当期経常利益-前期経常利益/前期経常利益×100(%)

 

 ・総資産成長率

  総資産成長率=当期総資産-前期総資産/前期総資産×100(%)

簿記の基礎

  • 簿記の意味

 簿記(bookkepoing)とは、企業の経営活動を一定の記帳方法に従って、計算・整理を行うことです。

 わたしたちの中には、給料や食料品、衣服などの代金を家計簿と呼ばれる帳簿に細かく記録している人もいると思います。では、なぜ家計簿をつけるのでしょうか。それは、この記録によって、家計の無駄を省き、毎日の生活を合理的に営むことができるようにするためです。

 家庭と同じように企業も帳簿に細かく記録をします。企業の場合は、商品の仕入れや売り上げ代金の支払いや受け取り、従業員への給料の支払い、広告料・交通費などの支払い、机・いす・パソコンなどの購入など、現金の収入・支出だけでなく、いろいろな経営活動について、帳簿への記録が日々行われています。それが「簿記」です。(簿記は帳簿記入の略だよ)

 

  • 簿記の目的

 簿記には、大きく3つの目的があります。

①財産管理

 一つ目は、財産の管理です。現金や預金、商品、店舗、土地などのことを財産といいます。これらの財産が増加したり、減少したりした場合、そのつど金額と増減原因を記録するので、財産の変動を厳密に管理することができます。これが簿記の第一の目的です。

 

②財政状態の明示

 二つ目は、財政状態の明示です。今手元にいくらお金があるのか、銀行にいくら借金があるのか、持っている商品や店舗などの金額はいくらかなど、一定時点において何がいくらあるのかというを表すのが財政状態です。この財政状態を簿記によって明らかにすることができます。

 

③経営成績の明示

 三つ目は、経営成績の明示です。いくら商品が売れたか、いくら商品を仕入れたか、その結果、どのくらい利益をあげたのかなどの内容を経営成績といいます。財政状態と同じように、経営成績も簿記によって明らかにすることができます。

 

 これらの目的をもつ簿記を通して、企業の経営者は、経営の状況を知り、これからどのような経営をしたらいいのかを考えるのです。

 

  • 簿記の種類

 簿記は記帳方法の違いによって、2つに分けられます。

 

単式簿記

複式簿記

 

 単式簿記とは、現金の収入・支出の記録を中心に、特に定まった記帳方法によらないで記帳する簿記です。

 複式簿記とは、一定の記帳方法によって、組織的に記録・計算・整理する簿記です。

 基本的に「簿記」という場合は、複式簿記を意味しています

 

  • 会計期間

 企業の経営活動は、継続して営まれているので、財政状態や経営成績を明らかにするためには、一定の区切りをつける必要があります。この区切られた期間を会計期間といい、会計期間の初めを期首、終わりを期末といいます。

 

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決算整理〜売上原価の算定〜

決算整理のうち売上原価の算定方法についてみていきましょう。

 

三分法で仕訳をしていた場合、商品を仕入れたときは、「仕入」(費用)勘定で処理をしました。

 

しかし、最終的に費用となるのは、販売した商品の原価のみです。この販売した商品の原価を売上原価といいます。そのため、決算において、仕入原価を売上原価に修正する仕訳を行う必要があります。

 

では、具体的にみていきましょう。

 

「当期の仕入高が¥1,000、期首の商品棚卸高が¥200、期末の商品棚卸高が¥300」であったときの決算整理仕訳です。

 

例えば、

 

          仕入        1,000  /  現金        1,000

 

という仕訳があったとします。このままでは、仕入原価である¥1,000が当期の費用として計上されてしまいます。しかし、実際に費用として計上されるのは、販売した商品の原価、すなわち売上原価のみです。そこで、当期において商品をいくら販売したかを求める必要があります。

 

もともと手元にあった商品(期首商品棚卸高)¥200と新たに仕入れた商品¥1,000を合わせると、全部で¥1,200の商品があったことがわかります。そして、最終的に残った商品(期末商品棚卸高)が¥300ということは、

 

¥1,200  -  ¥300   =   ¥900

 

よって、¥900分の商品を販売したということがわかります。つまり、¥900が販売した商品の原価であるため、売上原価は¥900となります。

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財務内容評価法

財務内容評価法

 

貸倒懸念債権(貸し倒れるかもしれない債権)

 

 

破産更生債権(相手会社の経営が破たんした債権)

 

の貸倒の見積りの際に用いられます。

 

財務内容評価法は、債権の額から担保の額を引いて、残りを貸倒見積高とする方法です。

相手の会社がお金を返してくれなさそうなときに、もらえるお金は担保の分だけという考え方です。

 

では、問題をみていきましょう。

 

Q1.貸倒懸念債権に区分された売掛金¥600,000について、貸倒見積高を財務内容評価法によって算定する。ただし、得意先から営業保証金として¥250,000の現金を受け入れている。また、貸倒見積率は20%である。

 

A.(600,000-250,000)×0.2=70,000

 

債権(売掛金)が¥600,000

担保(営業保証金)が¥250,000

貸倒見積率が20%

となっているため上記のような計算式となり、貸倒見積高は¥70,000となります。

 

Q2.破産更生債権等に区分された売掛金および貸付金¥1,800,000について、貸倒見積高を、財務内容評価法によって算定する。なお、担保として処分見込額¥1,500,000の土地の提供を受けている。

 

A.1,800,000-1,500,000=300,000

 

債権(売掛金と貸付金)が¥1,800,000

担保(土地)が¥1,500,000

となっているため上記のような計算式となり、貸倒見積高は¥1,500,000となります。