簿記の基礎
- 簿記の意味
簿記(bookkepoing)とは、企業の経営活動を一定の記帳方法に従って、計算・整理を行うことです。
わたしたちの中には、給料や食料品、衣服などの代金を家計簿と呼ばれる帳簿に細かく記録している人もいると思います。では、なぜ家計簿をつけるのでしょうか。それは、この記録によって、家計の無駄を省き、毎日の生活を合理的に営むことができるようにするためです。
家庭と同じように企業も帳簿に細かく記録をします。企業の場合は、商品の仕入れや売り上げ代金の支払いや受け取り、従業員への給料の支払い、広告料・交通費などの支払い、机・いす・パソコンなどの購入など、現金の収入・支出だけでなく、いろいろな経営活動について、帳簿への記録が日々行われています。それが「簿記」です。(簿記は帳簿記入の略だよ)
- 簿記の目的
簿記には、大きく3つの目的があります。
①財産管理
一つ目は、財産の管理です。現金や預金、商品、店舗、土地などのことを財産といいます。これらの財産が増加したり、減少したりした場合、そのつど金額と増減原因を記録するので、財産の変動を厳密に管理することができます。これが簿記の第一の目的です。
②財政状態の明示
二つ目は、財政状態の明示です。今手元にいくらお金があるのか、銀行にいくら借金があるのか、持っている商品や店舗などの金額はいくらかなど、一定時点において何がいくらあるのかというを表すのが財政状態です。この財政状態を簿記によって明らかにすることができます。
③経営成績の明示
三つ目は、経営成績の明示です。いくら商品が売れたか、いくら商品を仕入れたか、その結果、どのくらい利益をあげたのかなどの内容を経営成績といいます。財政状態と同じように、経営成績も簿記によって明らかにすることができます。
これらの目的をもつ簿記を通して、企業の経営者は、経営の状況を知り、これからどのような経営をしたらいいのかを考えるのです。
- 簿記の種類
簿記は記帳方法の違いによって、2つに分けられます。
・単式簿記
・複式簿記
単式簿記とは、現金の収入・支出の記録を中心に、特に定まった記帳方法によらないで記帳する簿記です。
複式簿記とは、一定の記帳方法によって、組織的に記録・計算・整理する簿記です。
基本的に「簿記」という場合は、複式簿記を意味しています。
- 会計期間
企業の経営活動は、継続して営まれているので、財政状態や経営成績を明らかにするためには、一定の区切りをつける必要があります。この区切られた期間を会計期間といい、会計期間の初めを期首、終わりを期末といいます。